住まいのトラブルでよく耳にするのが雨漏り。自宅で雨漏りが疑われるときは、まず原因を特定し、対策を行うことです。ご家庭で見極めるのが難しい場合は、早めに修理業者に依頼しましょう。
今回は、雨漏りの原因と対策から業者が行う調査方法まで、詳しくご紹介します。
雨漏りの原因は
雨漏りの原因はさまざまですが、多くの場合は屋根や外壁の破損・劣化によって引き起こされます。まずは、よくある原因を確認してみましょう。
老朽化
築年数が経過した住宅は劣化が進み、屋根材や外壁に問題を抱えている場合が多いようです。屋根材に穴が空いたり、外壁がひび割れたりすると、そこから雨水が浸入してきます。外壁からの雨水防止には防水シートがありますが、これも経年劣化によって、サッシとシートの間にすき間が生じたりするので、いつまでも万全とは言えません。
台風や雨風による損害
台風や豪雨、地震など、外的要因によって強い力が加わることで屋根材がダメージを受け、そこから雨水の浸入を許してしまいます。
施工段階の防水処理の不備
比較的新しい住宅にも関わらず雨漏りが発生する場合は、窓や換気口など、外壁にある開口部の防水処理に問題がある可能性があります。
個人でできる対策
修理などの対策はしなくても、日頃から雨漏りしやすい場所をチェックしておくことで、早期発見につながります。一般的に、見つけるのが早いほど修理費用や手間も少なく済むため、こまめにチェックすることをおすすめします。
チェック方法
ご自宅でできるチェックの方法は、①目視、②臭い、③音の3つです。
①目視
目視で確認するのは、屋根・天窓・屋上・外壁・内装・窓・ベランダ・給排水管など。天井に雨染みがあれば、それは雨漏りのサイン。天井や壁のクロスが浮いている場合も要注意です。
②臭い
臭いのポイントはカビ臭さ。雨染みがなくても、カビ臭いと感じた場所では、雨水が浸入しているかもしれません。押し入れやクローゼットの中にカビが発生していないか確認しましょう。
③音
目に見える雨漏りの痕跡がなくても、「ポタポタ」と音がするときは、屋根裏で雨漏りが発生している可能性があります。
チェックポイント
屋根の雨漏り
雨漏りというと、真っ先に思い浮かぶのが屋根。多くの場合、スレートや瓦のひび割れやズレ、シーリングの剥がれ、天井のトップライトなどから雨漏りします。家の最上部にあたる屋根には、ルーフィング(屋根材の下に敷く防水紙)など雨漏りを防ぐための装備を施しています。
しかし、台風などで劣化し、ルーフィングが破損したりすれば雨漏りの可能性は高まります。風の強い日の翌日などは、屋根が破損していないかチェックしましょう。
壁や窓からの雨漏り
雨水の浸入は屋根や屋上と思いがちですが、外壁も雨漏りのリスクがあるポイントです。
通常、外壁の裏面には雨水の浸入を防ぐために、防水シートやアスファルトフェルトが貼られています。しかし、経年劣化や地震・台風などによる外壁のひび割れや、シーリングのすき間から雨水が染みこむことがあります。外壁は塗装が剝がれるだけでも雨漏りのリスクがあるため、定期的に外壁の再塗装やシーリングの打ち直しなどのメンテナンスを行いましょう。
また、窓も同様で、外壁や防水シートの間にすき間ができると雨水が浸入し、サッシや窓枠に水が溜まることがあります。
屋上からの雨漏り
マンションやアパートの最上階に住んでいる場合は、屋上からの雨漏りに要注意です。鉄筋コンクリート製の丈夫な建物でも、経年劣化によってひび割れが起き、そのすき間から、雨漏りする可能性が考えられます。
また、地震で屋上部材が損傷を受けることもあり、ひび割れ部分を修繕しない限り、雨漏りに悩まされるでしょう。屋上に上がることができる建物なら、地震や台風のあとに屋上に出て、床に亀裂などがないか確認しておくことで、早期発見につながります。
雨漏りの調査方法
次に、業者が行っている雨漏りの調査方法をご紹介します。以下のような方法が一般的です。
目視調査
目立った劣化や損傷が原因であれば、雨水の浸入口を目視で想定することが可能です。屋根や天井裏、屋上、外壁などをチェックし、雨水の浸入ルートを調べます。ただし、目視調査のみでは浸入ルートの特定が難しい場合が多いので、追加費用などは事前に確認しておきましょう。
散水調査
雨漏りが疑われる場所に水をかけ、実際に建物の内部に水が浸入しているかどうか調べる方法です。専用の道具を用意するため、目視調査より費用がかかります。特に調査対象が屋根の場合は足場を設ける必要があるので、相応の手間と費用が発生します。目視調査に加えて、より確実な調査を求める方におすすめします。
紫外線投射発光調査
上記2つよりも詳細に検査できる、発光調査液を利用した非破壊検査方法です。
ジャパンホームシールドが提供する「レインボービューシステム・雨漏り経路調査」は、雨漏りが疑われる箇所に発光塗料の入った7色の調査液を流し込み、紫外線を照射して浸入経路を特定する調査方法です。紫外線を受けて発光した場所が、雨漏りのポイントとなります。
従来からある散水調査では、雨水の浸入箇所の特定が難しく、原因を見落として雨漏りを何度も繰り返し、余計な費用がかかってしまうことも…。
「レインボービューシステム・雨漏り経路調査」なら、今までの調査方法では難しかった、雨水の浸入経路をピンポイントで特定できます。漏水状況にもよりますが、目視や散水による調査方法よりも天候に左右されにくく、小雨程度なら調査が可能です。
放置せずに定期点検を
雨漏り対策で、最も大切なことは早期発見です。疑わしい箇所を放置していると、気づいたときには被害が広がり、結果的に修理費用もかさんでしまいます。そのような事態を避けるためにも、定期点検をおすすめします。
ジャパンホームシールド株式会社では、住宅の「定期点検代行」サービスの一環として、雨漏りの定期点検も承っています。ご興味があれば、お近くの工務店様を通して、ご連絡ください。
おわりに
今回は、雨漏りの原因と対策、業者が行う調査方法や定期点検の大切さをご紹介しました。雨水の浸入経路や雨漏りの原因は、予測や判断が難しいケースも少なくありません。大がかりな調査や修理は業者に任せる前提で、台風や地震のあとには簡単な目視チェックを行い、雨漏りの早期発見を心がけましょう。