山口県美祢市に位置するMine秋吉台ジオパークは、3億5000万年前から続く地球と生命のドラマを体感できるジオパークです。Mine秋吉台ジオパーク推進協議会の神田高宏さんと山縣智子さんにご案内いただきました。
日本最大級のカルスト台地「秋吉台」
広大な草原のあちこちに白い岩肌が顔を出す秋吉台。石灰岩が雨水に溶かされてできたカルスト台地です。総面積はおよそ100haに及び、国定公園や国の特別天然記念物に指定されています。
秋吉台は季節ごとに様々な表情を見せてくれます。素朴な草原の花が咲く春や、青々とした草の絨毯が広がる夏はもちろん、黄や赤に色づいた草原が夕日を浴びて赤色味を増した「草紅葉(くさもみじ)」と呼ばれる秋も趣があります。
神秘の景観を誇る大鍾乳洞 「秋芳洞」
秋吉台の地下に広がる秋芳洞は、国内屈指の大鍾乳洞。国の特別天然記念物に指定されています。
石灰岩が雨水や地下水の影響を受け、長い時間をかけて幻想的な光景になりました。Mine秋吉台ジオパーク推進協議会の山縣さんは、「秋芳洞は水の作用で現在も少しずつ姿を変え続けています」と教えてくれました。何万年も先の未来にどんな光景が出現するのか、想像しながら歩いてみるのも楽しいかも知れません。
秋吉台・秋芳洞って どうやってできたの?
3億5千万年前
秋吉台・秋芳洞はサンゴ礁が起源です。およそ3億5千万年前、赤道近くの暖かい海で海底火山が噴火しました。海底火山の山頂周辺には、サンゴ礁ができました。
このサンゴ礁は海洋プレートに乗り、長い時間をかけて、厚みを増しながら地球の表面を移動しました。やがてサンゴ礁は石灰岩へと変化していきました。
2億5千万年前
今から2億5千万年前に、石灰岩が大陸プレートにぶつかりました。石灰岩は海洋プレートから剥ぎとられ、長い時間をかけ地表へと押し上げられました。
2千万年前~現在
石灰岩は日本列島の形成とともに、大陸から現在の秋吉台の位置にやってきます。石灰岩は雨水や地下水によって少しずつ溶かされていきます。
地表では…溶け残った石灰岩が突出して、白い岩肌があちこちに見られる秋吉台の特徴的な風景になりました。
地下では…溶食や崩壊により、秋芳洞などの鍾乳洞ができました。
秋吉台に露出している石灰岩と、秋芳洞の壁や天井を形づくる石灰岩とは、もとは一つの大きな塊だったのです!
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