住宅取得を検討されている方の中には、都市計画道路予定地の購入を検討している方もいるのではないでしょうか。
都市計画道路予定地は、比較的安い値段で購入できるなどのメリットがありますが、購入前にはよく検討する必要があるのです。
そこで今回は、都市計画道路予定地を購入する際に知っておきたいことをご紹介します。
都市計画道路予定地とは?
都市計画道路予定地とは、都市計画法に基づく道路整備が予定されている土地のことです。
自治体による都市機能の高度化を目的とした都市計画の実行には、必要に応じて道路の拡張や新設など大がかりな事業が必要となります。
都市道路計画予定地はあくまで計画であり、まだ事業として決定されたものではありません。実際に、昭和中期に都市計画道路予定地に指定されながら、工事未定の土地もあるのです。
ただし、都市計画の事業が事業決定すれば、居住者はそこにとどまって生活しづらくなります。行政側と交渉を開始し、一定の条件のもとで立ち退く必要があるのです。
都市計画道路予定地を購入するメリット
都市計画道路予定地は、一定の制限はつきますが、住宅を建てることができます。
ここでは、都市計画道路予定地を購入する際のメリットについてご紹介します。
都市計画道路予定地は相場より安価に購入できる
都市計画道路予定地は、建築を行う際に都道府県知事の許可が必要となり、また建築制限によって土地の利用範囲が限られているため、価格が低めに設定されることがあります。その場合に、一般の不動産より低価格で購入できるのです。
万が一、事業決定によって建物の取り壊しが決定しても、立ち退きによる損失は一定の金額までは補償されます。
都市計画道路予定地は相続税対策にもなる
都市計画道路予定地の購入は、相続税対策としても有効です。
都市計画道路予定地は、建築制限の関係から評価額が低めに設定されています。さらに評価額が下がった場合は、相続税の評価額も減額されるのです。
このような特例があるため、相続税対策として土地購入を検討する方もいます。
都市計画道路予定地を購入する際の注意
比較的安価で土地を購入でき、相続税対策としても有効な都市計画道路予定地ですが、購入する際は注意しなければいけないことがあります。
いつ事業決定されるか未定の土地とはいえ、今後都市計画がスタートする可能性もあるのです。計画が動き出して道路工事が始まれば、道路対象部分を市区町村へ売却し、補償金を受け取り、引っ越しをしなければいけなくなります。
住宅を建てるにあたり制限もあります。例えば、建設できる建物は一般的には2階建て以下まで、高さ10m以下で地階を作ることができないなどです。建てられる住宅の構造なども、例えばRC造の住宅は建てられないなど制限があります。
また通常の建築確認申請とは別に、都道府県知事の許可を得るための申請も必要です。
自分が望む方法で住居を建築できない可能性もあるため、これらの点にも注意しておきましょう。
不動産会社に問い合わせれば安心
都市計画道路予定地の購入を検討する場合は、不動産会社に相談することをおすすめします。
地元の不動産業者であれば、都市計画の対象である土地についても精通しています。
都市計画道路予定地を購入する際は、地元の不動産会社に相談し、事業決定に関する情報を提供してもらいましょう。
おわりに
今回は、都市計画道路予定地を購入する際に知っておきたいことについてご紹介しました。
都市計画道路予定地とは、都市計画法に基づく道路整備が予定されている土地のことです。都市計画道路予定地は、一般的な土地よりも比較的安価に購入できたり、相続税対策をできたりするメリットがあります。
ただし、都市計画道路予定地で事業が決定した場合は、対象部分を市区町村に売却し、引き渡す必要があります。
都市計画道路予定地の購入は、不動産会社などに相談して、メリットや注意点を含め、よく検討するようにしましょう。